第III部 わが国の防衛のための諸施策 

7 東南アジア諸国との防衛交流


 東南アジア諸国は、海上交通の要衝(ようしょう)を占める地域に位置するとともに、わが国と密接な経済関係を有しており、これらの国々と安全保障上の諸問題について対話を促進し、信頼・協力関係を増進させることは、双方にとって有意義である。
 昨年11月、石破前防衛大臣は、訪日したシンガポールのテオ・チーヒン国防大臣と会談を行い、両国の地域情勢や防衛政策について相互理解を深めた。両大臣は、本年5月の第7回IISSアジア安全保障会議においても会談を行った。また、本年3月、石破前防衛大臣は、訪日したカンボジアのティア・バニュ副首相兼国防大臣と会談を行い、両国の防衛交流、地域の安全保障情勢、両国の防衛政策について意見交換を行った。
 
ティア・バニュカンボジア副首相兼国防大臣と石破前防衛大臣

 最近の主なハイレベルの交流は、図表III-3-2-2のとおり行われており、東南アジアとの交流は着実に進展している。
 
図表III-3-2-2 東南アジア諸国とのハイレベル交流(昨年以降)
 
晴海ふ頭(東京)に入港中のパキスタン艦艇

 実務者レベルの防衛当局者間の定期協議も順調に行われており、安全保障・防衛分野での意見交換を通じて相互理解と信頼関係の増進に努めている。また、各種幕僚協議、研究交流、留学生の派遣・受入れ、艦艇の訪問を中心とした部隊間の交流なども着実に行われている。これらの交流は、地域の平和と安定に重要な役割を果たしうる多国間のネットワークを構築する基礎となっている。
 
ウンシンガポール空軍参謀長と田母神航空幕僚長

 

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