第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 自衛隊の活動


 自衛隊は、03(平成15)年12月から、イラク人道復興支援特措法に基づき、困難な状況におかれた住民のため、医療、給水、学校・道路等公共施設の復旧・整備および人道復興物資等の輸送などの支援を行い、イラクの自主的な国家再建に向けた取組に寄与してきた。06(同18)年6月、政府は、ムサンナー県において、イラク人自身による自立的な復興の段階に移行したものと判断し、約2年半におよぶ陸自の部隊による活動を終えた。

参照> 資料4647

 一方で、空自の部隊は、国連事務総長から要請のあった国連に対する空輸支援や、多国籍軍に対する空輸支援を継続するため、現在も活動中であり、引き続きイラクの復興および安定に協力している。本年7月2日までの輸送実績は、輸送回数729回、輸送物資重量約603.6トンである。自衛隊による人的貢献と政府開発援助による支援は、「車の両輪」として進められ、目に見える成果が生まれており、イラクをはじめとする国際社会から高い評価を得ている。
 また、イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊の活動を行う上で必要な情報収集や各種調整を行うため、米国フロリダ州の米中央軍司令部やバグダッドの多国籍軍司令部に連絡官など2を派遣している。


 
2)連絡官などは、派遣先において活動地域の情勢などの情報収集や、人員・物資の受け入れ、物資の調達・輸送などの連絡調整業務を行い、現地で活動する部隊の円滑かつ効率的な運用に寄与している。現在、米中央軍司令部に統幕が連絡官を派遣しているほか、バグダッドの多国籍軍司令部に空自が連絡班を派遣している。


 

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