第III部 わが国の防衛のための諸施策 

第3章
国際的な安全保障環境の改善


第1節 国際平和協力活動への取組


 今日の国際社会は、国際テロ、大量破壊兵器などの拡散、複雑で多様な地域紛争、国際犯罪といった地球規模の問題に直面しており、わが国から遠く離れた地域で発生した事態であっても、わが国にその脅威や影響が及びうることが懸念されるようになった。
 グローバルな脅威への対応は、一国のみでの解決が困難であり、また、軍事面のみならず、さまざまな分野でのアプローチが必要であり、国際社会が一致、協力して取り組むことが必要であると認識されている。
 防衛大綱では、国際社会の取組を踏まえ「国際的な安全保障環境を改善し、わが国に脅威が及ばないようにすること」を、わが国の防衛とともに、安全保障の目標として掲げている。これを受け、わが国は政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)の活用を含めた外交努力を推進するとともに、国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動(以下「国際平和協力活動」という。)に主体的かつ積極的に取り組むとしている。
 また、昨年1月の省移行にあわせて、自衛隊の任務の位置付けが見直され、国際平和協力活動は自衛隊の本来任務として位置付けられた。

参照> II部1章4節2

 本節では、防衛大綱を踏まえた今後の防衛省・自衛隊における国際平和協力活動への取組とその内容について説明する。
(図表III-3-1-1 参照)
 
図表III-3-1-1 自衛隊が活動を行っている国際平和協力活動

 

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