第III部 わが国の防衛のための諸施策 

2 統合運用体制の充実のための基盤整備


 統合運用体制においては、統幕・各自衛隊間などの確実な指揮命令の伝達と迅速な情報共有の確保が重要である。このため、本年3月、「自衛隊指揮通信システム隊」を新設し、部隊運用に直結する通信機能を強化した。また内外の優れた情報通信技術を利用したより広範・機動的な情報通信態勢を構築することとしている。
 また、自衛隊の各部隊においても、「統合任務部隊」の指揮官となることが予想される主要部隊指揮官2は、平素からそのための計画の作成などを行うとともに、訓練などを通じて、任務を遂行できる態勢を維持しておく必要がある。そのため主要部隊司令部には、他自衛隊の幕僚を平素から配置し、陸・海・空自の連携強化を図るとともに、統合運用によりさまざまな状況に対処する場合に、必要に応じて、その他の幕僚を配置することとしている。
 さらに、統合運用体制移行後3年目を迎え、これまでの実績を踏まえつつ、教育訓練の充実、自衛隊の司令部組織のあり方、統合運用に適した人材の育成、統合運用に伴う装備などの共通化の必要性などについて、より効果的な運用体制を目指して引き続き検討し、必要な措置を講ずることとしている。


 
2)陸自各方面総監および中央即応集団司令官、海自自衛艦隊司令官および各地方総監、空自航空総隊司令官、航空支援集団司令官および航空方面隊司令官など


 

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