第1節 防衛力を支える基盤
防衛力の基盤は、まず人的基盤が挙げられる。装備・システムの運用だけではなく、組織(防衛省・自衛隊の組織については
II部3章3節)の運営なども結局は、隊員一人ひとりの力量にかかっている。特に近年、防衛省・自衛隊は、新たな安全保障環境下で、任務の多様化・国際化、装備の高度化に対応する必要があり、従来にも増して、質の高い人材の確保・育成や必要な教育訓練の実施など、人的基盤の充実が重要となっている。
一方、そうした環境の変化に対応した装備品を、より迅速かつ安価に取得することが不可欠との観点から、防衛省は、装備品の調達の透明性・公正性に配意しつつ、さまざまな取組を行ってきている。また、防衛省・自衛隊が取り扱う情報には、漏洩(ろうえい)すればわが国の防衛などに著しい影響を及ぼしかねないものがあることから、これらの保全は、重要な課題である。
本節では、こうした防衛省・自衛隊の人的基盤の確立および装備品の効率的な取得に向けた取組、情報流出防止への取組などについて説明する。