第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)米太平洋軍司令部連絡官として勤務する隊員の声

米太平洋軍司令部連絡官 1等陸佐 山田雅巳(やまだまさみ)
 
ハワイの米陸軍部隊を研修中の山田1等陸佐(左)

 米太平洋軍司令部に統合幕僚監部から連絡官として派遣されている山田1等陸佐に、任地の状況や勤務の様子を聞きました。

 アロハ!
 ハワイは、総面積が四国より少し小さい8つの島に約124万人が住み、青い海と空に囲まれパラダイスと呼ばれる、多くの日本人が訪れるところです。
 オアフ島には米統合軍の中で最大の地域(地球の約50%、アメリカ西岸からアフリカ東岸の43か国)を担当する米太平洋軍司令部および隷下の米太平洋陸軍司令部・米太平洋艦隊司令部・米太平洋空軍司令部・米太平洋海兵隊司令部などが位置し、軍の使用している土地がオアフ島の約22%を占めます。また、ハワイ州には軍人・軍属とその家族約9万3,000人が居住しており、軍と深い関係を有しています。そして、統合幕僚監部から米太平洋軍司令部に、海上幕僚監部から米太平洋艦隊司令部に、航空幕僚監部から米太平洋空軍司令部に連絡官、また航空自衛隊から米太平洋空軍司令部に交換幹部の計4名の自衛官が派遣されています。
 米太平洋軍司令部連絡官の業務は、統合幕僚監部と米太平洋軍司令部との連絡・調整、統合幕僚監部からの訪問者の調整・支援などです。米軍は、インターネットが充実し、業務は主に電子メールで実施するため、直接会って調整するという機会が少ないのですが、連絡・調整を円滑に実施するためには人間関係が重要であり、行事などへの参加を含め機会を求めて多くの人と会うように努めています。また、一人で勤務しているため、病気やけがのないよう健康管理と安全管理に留意しています。
 本年1月、国際平和協力活動等が本来任務化されましたが、04(平成16)年のインド洋津波など災害発生時の対応に関する連絡・調整も、重要な業務です。昨年10月には、ハワイ島沖地震が発生、オアフ島では電気・水道が止まり、テレビが映らない状況でしたが、電話が使用できたので、ラジオで被害情報を収集、米太平洋軍の対応を確認し速やかに統合幕僚監部へ連絡しました。
 昨年3月の統合運用体制への移行に伴い、統合幕僚監部と米太平洋軍司令部との連携が益々重要となっています。連絡官としてその職務の重要性を認識し両者の連携強化のため微力ながら貢献したいと考え、日々勤務しています。

 

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