第III部 わが国の防衛のための諸施策 

5 日米の安全保障・防衛協力の強化・拡大

 日米の防衛協力における基本的な考え方は「指針」に示されており、「指針」の下で日米協力のための施策が進められてきた。一方、現在の安全保障環境にかんがみると、国際平和協力活動やBMDなど、「指針」において具体的に取り扱われていない分野における協力も重要である。今後、「指針」の下での日米協力および、適切な場合には、現在「指針」で取り上げられていない追加的な分野における日米協力の実効性を強化し、改善する。
 なお、昨年5月の「2+2」会合においても、日米の役割・任務・能力について、計画検討作業、情報共有・協力、国際平和協力などの分野での二国間の安全保障・防衛協力の実効性を強化し、改善することの必要性などが強調された。また、変化する地域および世界の安全保障関係において確固たる同盟関係を確保するとともに、さまざまな課題に対応すべく同盟の能力を向上するために、安全保障・防衛協力のあり方を検討する重要性が強調された。
 また、本年5月の「2+2」共同発表においては、05(同17)年10月の「共同文書」に示された同盟の変革に沿った役割・任務・能力が確認されるとともに以下が強調された。
○ 自衛隊による国際平和維持活動、国際緊急援助活動および周辺事態への対応の本来任務化
○ 変化する安全保障環境を反映し、また、地域の危機において共に行動する自衛隊および米軍がより良い態勢をとるための、より具体的な計画検討作業の持続的な進展
○ 軍事情報包括保護協定(GSOMIA:General Security of Military Information Agreement)としても知られる、秘密軍事情報の保護のための秘密保持の措置に関する両政府間の実質的合意
○ 二国間の化学・生物・放射線・核(CBRN)防護作業部会の設立
○ 危機およびそれ以前における、政策、運用、情報および広報に係る方針を調整するための、柔軟な二国間の省庁間調整メカニズムの構築
○ 相互運用性を強化し同盟の役割・任務・能力を推進させるための、二国間の共同訓練の実施

 

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