第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)国民保護訓練(実動)に参加した隊員の声

陸上自衛隊 第13後方支援隊衛生隊 2等陸尉 井上敬司(いのうえけいじ)
 
鳥取県国民保護訓練(実動)に参加し化学剤による傷病者に対する処置を行う陸自第13後方支援隊衛生隊員

 広島県海田市に所在する、第13後方支援隊衛生隊は、昨年11月に内閣官房及び鳥取県などが共催して行った、国民保護実動訓練に第8普通科連隊(米子市)などとともに参加しました。
 今回の訓練は、化学剤などを使用したテロが発生したという想定の下で行われた、私たちにとって初めての訓練であり、マスコミ関係者の注目も高く、緊迫感あふれる訓練でした。
 次々と運び込まれる、化学剤などによる傷病者に、われわれも防護マスク、化学防護衣などを装着して処置を行いました。これらの装備をつけると、思うように動けないばかりか細かい作業や、話すら思うようにできなくなります。一方で、傷病者に対する処置は、一刻を争うものとなります。
 大変困難な状況下での処置となりましたが、平素からの訓練のかいもあり、何とか適切に処置を行うことができました。
 また、本訓練を通して地方公共団体や警察、消防などの関係機関と調整しながらの医療支援活動や民間医療機関と傷病者に対する処置について情報交換ができたことは現場レベルでの連携を強化する上で大変有意義なものでした。
 今回の訓練を通じ、われわれ自衛隊の、任務の多様化を感じることが出来ました。そして任務達成のためには、平素からの教育訓練が重要であることを再認識することができました。これからも国民の期待に応えられるよう自己及び部隊の練度向上を目指して努力していこうと思います。

 

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