第II部 わが国の防衛政策の基本 

(Q&A)省移行について諸外国はどう受け止めているのですか?

 防衛省移行について、諸外国からは、多くの祝意と期待が寄せられています。具体的には、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ、ミャンマーなどの東南アジア諸国、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、オランダ、スロバキア、ブルガリア、ロシア、ウクライナなどの欧米諸国、その他にも、オーストラリア、ニュージーランド、モンゴル、パキスタン、イラン、イラク、サウジアラビア、トルコ、南アフリカ、モーリタニアなど、多くの国からこれを歓迎する旨が表明されています。
 この中で、例えば、アロヨ・フィリピン大統領は、2006年12月9日の安倍総理との日比首脳会談において、日本とフィリピンの間で政治・安全保障の対話を進めることは重要であり、そうした協力を一層進めていくためにも、防衛庁の防衛省への移行を歓迎する旨発言しています。また、中国および韓国からは、わが国が引き続き平和主義を維持することを期待する旨のコメントが外交当局からありました。

 省移行は、国の行政組織としての位置付けを変更することを通じてわが国の危機管理や国際平和協力活動に取り組む体制を整えるものであり、防衛力の量や質の増大、専守防衛をはじめとする防衛政策の基本の変更を伴うものではありません。そして、このような省移行の趣旨については、防衛大臣(省移行前は防衛庁長官)をはじめとするさまざまなレベルでの安全保障対話・防衛交流などを通じてわが国から諸外国に対する説明を実施しています。
 また、近隣諸国を含む諸外国においては、国の防衛を司る行政組織は全て省または部(Ministry又はDepartment)と位置付けられています。
 さらに、毎年の防衛白書や諸外国とのさまざまな安全保障対話・防衛交流の機会を通じて、わが国の防衛政策や自衛隊の活動についても説明が行われてきており、これらについて諸外国の理解が深まっています。
 これらにより、省移行については、前述のように近隣諸国をはじめとする諸外国におおむね好意的に受け止められているものと考えています。

 防衛省は、今後とも、省移行の趣旨について諸外国に対して説明を行っていきたいと考えています。

 

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