第II部 わが国の防衛政策の基本 

(Q&A)省移行により、多様な緊急事態により迅速な対応を図れることになるのですか?

 わが国を取り巻く安全保障環境は、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織の活動などにより大きく変化しています。こうした新たな脅威や多様な事態への対応のため、自衛隊が防衛出動などの必要な行動をとる場合には、閣議決定を経て、内閣総理大臣が命令を下令し、または防衛庁長官の命令に関して内閣総理大臣の承認を得ることが必要です。
 こうした場合において、防衛庁長官は防衛庁において実際の事務手続きを行うか否かにかかわらず「主任の大臣」ではないことから、自ら閣議請議を行うことができず、内閣府の主任の大臣である内閣総理大臣より閣議請議を行わなければなりませんでした。
 自衛隊の迅速な対応のための態勢整備を図るという観点から言えば、重大な危機に際し、1分1秒であっても、政府としてより速やかな意思決定を行うことに資すると考えています。省に移行し、防衛大臣が閣議請議を直接行えるようになったことにより、自衛隊が事態により迅速かつ適切に対応していけるものと考えています。
 
省移行による実務的なメリット

 

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