第II部 わが国の防衛政策の基本 

2 省移行と本来任務化の必要性

 以上のような、わが国を取り巻く安全保障環境の変化とともに、自衛隊は、創設以来50年以上にわたり、国連平和維持活動や国際緊急援助活動、災害派遣など、さまざまな活動の経験を積んできている。また、これらの活動に対する国民の理解も広がっている。さらに、自衛隊の海外における活動は、これまでの実績への評価にみられるように国際社会からますます期待され、要望されるものとなってきており、この期待に応えていくことも必要となっている。
 このような状況において、1)防衛政策に関する企画立案機能を強化すること、2)緊急事態対処の体制を充実・強化すること、3)国際社会の平和と安定に主体的・積極的に取り組むための体制を整備することが重要である。
 このような体制の整備の一環として、防衛庁を、わが国の行政組織の中で、「省」として位置づけ、国の防衛に専任する「主任の大臣」を置き、上記のような重要な役割をより的確に行い得るようにするとともに、自衛隊の本来任務を見直し、国際平和協力活動等の取組などを自衛隊の本来の任務に付け加える必要があった。

 

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