第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

3 東ティモール情勢

 東ティモールでは、西部出身兵士の処遇をめぐる問題が政治的・社会的な対立に発展し、昨年4月に、首都ディリで騒擾(そうじょう)事件が発生したほか、同年5月には、憲兵隊員が国軍から離脱して国軍本部を襲撃するなど治安が悪化した。同年5月末には、東ティモール政府の要請を受け、オーストラリア、ニュージーランド、ポルトガル、マレーシアの4か国が国際治安部隊を現地に派遣した。また、同年8月には、国連安保理決議第1704号の採択により、大統領選挙・議会選挙の支援、治安の回復と維持、治安部門の再建支援などを任務とする国連東ティモール統合ミッション(UNMIT:United Nations Integrated Mission in Timor-Leste)が設立され、国際治安部隊とも協力しながら活動を続けている1。本年4月には独立後初の大統領選が行われ、5月の決選投票を経て、首相(当時)のラモス・ホルタ氏が大統領に選出された。


 
1)本年3月現在、軍事要員33名、警察官1,555名および文民要員など1,161名が展開している。

 

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