第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

5 教育・訓練の動向

 人民解放軍は、近年、運用面においても近代化を図ることなどを目的として、陸・海・空軍間の協同演習や上陸演習などを含む大規模な演習を行っている。02(平成14)年からは、それまでの軍事訓練大綱を改定した「軍事訓練及び評価大綱」が施行され、科学技術を主体として訓練内容を改革するとともに、絶えず新しい訓練の形式を推進することとされた。また、昨年開かれた全軍軍事訓練会議において、機械化条件下の軍事訓練から情報化条件下の軍事訓練への転換が示され、人民解放軍総参謀部が示した本年の訓練重点においても、引き続き情報化条件下の軍事訓練と複数の軍種を統合した訓練を実施するという方針が示されている。
 また、人民解放軍は、教育面でも、科学技術に精通した軍人の育成を目指している。03(同15)年から、情報化作戦の指揮や情報化された軍隊の建設などを担うための高い能力を持つ人材の育成を目指し、軍隊の人材戦略プロジェクトが推進されており、20(同32)年にかけて、人材建設の大きな飛躍を成し遂げるという目標を掲げている。

 

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