4 自衛隊の活動
(1)海上自衛隊の部隊による被災民救援活動と協力支援活動
ア 被災民救援活動
海自部隊は、テロ対策特措法に基づく被災民救援活動として、護衛艦「さわぎり」、掃海母艦「うらが」で、生活関連物資をパキスタン・カラチ港まで輸送し、01(平成13)年12月12日から2日間で、約200トンのテント、毛布などの救援物資
7を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:United Nations High Commissioner for Refugees)
8現地事務所へ引き渡した。
イ 協力支援活動
01(同13)年9月19日の「米国における同時多発テロへの対応に関する我が国の措置」に基づき派遣された護衛艦「くらま」、「きりさめ」と補給艦「はまな」の3隻は、情報収集活動に引き続き、01(同13)年12月から、協力支援活動として、インド洋で米海軍艦艇への洋上補給などを開始した。その後、補給艦「とわだ」と被災民救援活動に従事した護衛艦「さわぎり」がそれらに合流し、02(同14)年1月29日からは、英海軍艦艇への洋上補給などを開始した。
当初、協力支援活動としての艦船用燃料の提供は、米英軍に限定していたが、「テロとの闘い」における作戦遂行の効率性を高めるため、逐次、燃料補給の対象国
9を拡大し、本年3月末現在、11か国となっている。
また、04(同16)年10月の基本計画の変更以降、艦船用燃料に加えて艦艇搭載ヘリコプター用燃料および水の補給を開始した。
活動開始から海自部隊が協力支援活動として行った補給活動は、昨年11月、700回に達し、本年4月12日現在744回である。
(図表III-3-1-11参照)
(2)航空自衛隊の部隊による協力支援活動
空自部隊は、第1輸送航空隊(小牧基地)所属のC-130H輸送機をもって、01(同13)年11月29日から在日米軍基地間の国内輸送を、また同年12月3日から在日米軍基地とグアム方面などとの間の国外輸送を開始した。
輸送支援は、主にC-130H輸送機で行っていたが、在日米軍基地間の国内輸送に、02(同14)年以降、C-130H輸送機に加え、C-1輸送機の使用を開始し、04(同16)年以降は、C-1輸送機のみで国内輸送を行っている。
これら輸送支援で、主として米軍の航空機用エンジン、部品、整備器材、衣料品などの物資を輸送している。
活動開始から空自部隊が協力支援活動として行った輸送は、本年1月末で、345回(国外15回、国内330回)に達した。
7)テント(1,025張)、毛布(18,500枚)、ビニールシート(7,925枚)、スリーピングマット(19,980枚)、給水容器(19,600個)の総トン数約200トン
8)難民が国際的保護を受けられるよう支援し、また、その自発的帰還、現地での定住、第3国での定住を支援することで難民問題の解決を図るための機関
9)米英国に加え、03(平成15)年にドイツ、ニュージーランド、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、カナダ、ギリシア、04(同16)年にパキスタンと交換公文を締結し11か国となった。これらの交換公文は、わが国が支援対象国に対して行う協力支援活動が、テロ対策特措法に基づくものであることが明記されており、また、わが国が協力支援活動として提供する物品については、テロ対策特措法の目的に合致して適切に使用されるべきこと、また、わが国の事前の同意を得ないで第三者に移転してはならないことを支援対象国に対して繰り返し説明し、各国とも了解している。