第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(解説)自衛官の仕事(空自編)

 ここでは、日頃の姿があまり表に出ない自衛官の仕事を紹介します。

F-15整備員の仕事

 出勤して整備服に着替え、愛用の工具ベルトを身につけたときから、整備員の一日が始まる。
 朝礼で、一日の仕事が割り振られ、担当の飛行機が決まる。気持ちを引き締め担当の飛行機へ向かう。オイルや燃料の漏れがないか?機体に亀裂がないか?ボルトやナットが緩んでいないか?機体の隅々まで点検する。特に上空での気圧の変化や激しい旋回が繰り返される戦闘機では、小さな故障が大きな事故へ結びつくため、点検に妥協は許されない。そして、F-15のフライトが始まり、着陸毎に、入念な点検が行われる。
 点検は、夜間も行われる。夜間は“フラッシュライト=整備用懐中電灯”が重要となる。時間をかけて、機体の隅々にライトを当て点検する。また、フラッシュライトは、意思疎通にも使われる。エンジン音の響く駐機場では、声は聞こえない。このため整備員は、ライトの動きや点滅を使った会話をするのだ。
 F-15が一日の飛行を終えると、一日最後の点検となる。F-15は、いつでも飛行できるよう、故障があれば直ちに修復しなければならない。
 最後の点検が終了すると、工具の点検、整備記録の整理、明日の準備となる。すべての作業を終えた時、愛用の工具ベルトを外し整備員の一日が終わる。
 
F-15戦闘機を点検中の空自第305飛行隊(茨城県)整備員

 

前の項目に戻る     次の項目に進む