第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(VOICE)活躍する女性自衛官(陸自編)
 
自衛隊中央病院(東京都世田谷区) 副看護部長 2等陸佐 亀中和恵(かめなかかずえ)(看護官)
看護指導中の亀中2等陸佐(中央)

 看護職は、毎日が戦いです。私たちの小さな間違いが患者さんの生命を左右するために、24時間365日、常に緊張を強いられる日々です。
 私は、所属する全看護師が利用者中心で専門性の高い看護ができるよう、常に各病棟を回って現場指導をし、みなさんに信頼される病院となることを目指して頑張っています。
 若い頃は仕事と家庭の両立のため、早朝、子供を保育所に預けながらの勤務でした。家事をこなし子供を必死で寝かしつけた後(自分の方が先に寝入ることもありましたが)、看護の勉強をしていました。自衛官の夫が演習で不在の時などは、子供を残しての勤務で、ある時、帰宅すると一人寒さに震えながら泣いている我が子を目前にし、涙したこともありました。
 医療は日進月歩であり、また国際貢献や大規模災害への対応も求められることから、現在でも現役の看護官として日々の勉強が必要です。夜勤もあるので、まさに体力との戦いです。多忙な毎日ですが、患者さんやご家族の笑顔は、何にも代え難いものです。
 少しでもお役に立てるよう「地道に一歩前進」を心がけ、「誠実に、勇気を持って」を信条に32年間、無我夢中で勤務してきました。これからも、看護職に邁進するとともに、質の高い医療提供のできる後輩看護官の育成に努めて参りたいと思います。

 

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