第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(VOICE)活躍する女性自衛官(空自編)
 
第3輸送航空隊(鳥取県境港市) 第403飛行隊 2等空尉 寺坂裕子(てらさかひろこ)(パイロット)
C-1輸送機の操縦席に座る寺坂2等空尉

 私は、C-1輸送機のパイロットとして航空輸送任務のほか、患者空輸と呼ばれる災害派遣も行います。患者空輸とは、離島などで島の病院で対処できない病人などが出た際に、患者さんを島外の病院に空輸することです。
 我々が災害派遣を行う時は、県の防災ヘリコプターや海上保安庁が出動できないような悪天候の時です。このため、いかに悪天候の中で、航空機を安全に運航するかということに神経が注がれます。例えば、深夜の暴風雪の時などは、機体が凍りつかないか?雷雲が発生していないか?島の飛行場の天候は大丈夫か?など、さまざまな状況を常に把握しなければなりません。一瞬の判断ミスが、事故に結びつくからです。
 特に、患者空輸の命令が出ると人命救助ということで、「早く行かなければ。」というはやる気持ちを持ったままの運航になりがちです。このため、常に冷静な状況判断と危険予測ができるよう心掛けるとともに、輸送機の搭乗員たちとの情報・意思疎通を密に図り、危険や不安の「種」を無くすよう安全運航に万全を期してます。
 患者空輸で搬送した患者さんから感謝のお手紙を頂くことがありますが、病気が回復したなどの良い知らせを聞くと、いつも嬉しくなります。本当に、今の仕事について良かったと思いますし、これからも多くの人を助けられるよう、自分自身を磨きたいと思います。

 

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