第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(VOICE)活躍する女性自衛官(海自編)

 現在、約11,000人の女性自衛官が、海外及び全国各地の自衛隊で活躍しています。ここでは、陸・海・空自衛隊で活躍中の女性自衛官に、勤務の様子やエピソードなどを聞きました。
 
補給艦「おうみ」通信士 3等海尉 池田由香子(いけだゆかこ)
補給艦「おうみ」艦橋で勤務中の池田3等海尉

 テロ対策特措法に基づく協力支援活動に、補給艦「おうみ」の合計16名の女性自衛官が初めて参加し、艦橋から調理場まで、艦内のほとんどの場所で勤務しています。インド洋での他国の艦艇に対し洋上で補給する活動を通じて、私も微力ながら、国際平和協力に貢献しているという充実感の中、毎日を過ごしています。
 私は通信士として、補給相手の他国艦艇との無線交話などを行っていますが、洋上補給の開始直前に給油量などが急きょ変更になることもあり、柔軟に対応しなければなりません。補給開始の約1時間前から通信を始め、事前に補給量や開始時刻の調整などを行います。補給回数や補給量が多い日は、1日に10時間近く艦橋に立っていることもあり、気力と体力が勝負です。それでも補給が無事に終わった時には、ほっとすると同時に大きな達成感があります。
 さらに、インド洋では多くの船舶が航行し、また周辺国の航空機が接近してくることもあり、実任務ならではの緊張も常に感じています。
 今回の派遣では、海上自衛隊の女性自衛官が初めて派遣任務に就きましたが、インド洋で行動する他国の艦艇には、既に多くの女性軍人が乗っています。彼女達の勇姿を見ると、負けられないと思うとともに、ずいぶんと励まされます。また、女性自衛官の先駆けとして派遣されていますので、これから後に続く後輩達のためにも、補給艦「おうみ」での任務をしっかりと行って帰国したいと思います。

 

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