第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(VOICE)自衛隊で行われている訓練(陸自編)

 自衛隊では、いざという時のために、日頃から厳しい訓練を行っています。ここでは、陸・海・空自衛隊で行われている訓練の一部について、隊員や教官の声を紹介します。
 
陸上自衛隊 西部方面普通科連隊 3等陸佐 濱崎幸一(はまさきこういち)(第2中隊長)
訓練地の濱崎3等陸佐

 西部方面普通科連隊は、離島防衛のため、日夜訓練に励んでいます。ヘリコプターを使用した機動展開訓練、険しい山岳地での戦闘訓練に加え、今年初めて離島への「海」からの潜入訓練を米国のサンディエゴなどで行いました。訓練場は寒流の流れ込む海岸で、水温は10度前後、波は2mを超します。このため訓練中は、寒さで震えが止まりませんでした。
 約2週間の訓練では、最初は基礎訓練として、ボートの操舵や偵察潜入のための泳法などを学び、その後、潜入の訓練を行います。そして、最終段階では中隊約100名が一丸となって、十数キロ沖合から、夜間、数時間にわたり荒れ狂う波をゴムボートで超え、潜入する訓練を行いました。一つ間違えば「死」さえ覚悟しなければならない海での訓練でしたが、各隊員は全力で取り組み、胸から足まで無数の打撲痕と大きな達成感が残りました。特に隊員同士が、訓練でできた傷をまるで勲章のように見せ合っている姿は、彼らの「離島を守るために必要な技術を吸収したい。」と思う強い気持ちのあらわれであったと思いました。
 私たちにとって、離島防衛は最大の課題であり、更なる練度向上をめざして、チャレンジしていこうと思います。

 

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