第5章 国際的な安全保障環境の改善 

1 大量破壊兵器などの軍備管理・軍縮・不拡散関連条約など


1 核兵器


(1)核兵器不拡散条約および包括的核実験禁止条約
 核兵器の拡散防止に関しては、核兵器の不拡散に関する条約(NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)1と国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)2の保障措置を中核とする不拡散体制が存在する。
 95(平成7)年、NPT運用検討・延長会議において、NPTの無期限延長が決定されるとともに、包括的核実験禁止条約(CTBT:Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)3が発効するまで核兵器国は核実験実施を最大限自制することなどが合意されたが、昨年5月、NPT運用検討会議では、最終的にこれら実質的事項について合意文書を作成することができなかった。
 わが国は、CTBTの早期発効に向けて努力を続けているが、批准が発効要件となっている特定諸国のうち10か国4が批准(ひじゅん)していないことから、条約発効の見通しは立っていない。

(2)原子力供給国グループ
 原子力供給国グループ(NSG:Nuclear Suppliers Group)5は、核兵器開発に使用されうる資機材・技術の輸出管理を通じて、核兵器の拡散を防止することを目的とし、74(昭和49)年のインドの核実験を契機に設立され、本年5月現在、わが国を含む45か国で構成される輸出管理レジームである。
 わが国は、核兵器のない世界を目指した核不拡散の取り組みに積極的な役割を果たすとの観点から、原子力専用品と原子力汎用品およびその関連技術の輸出管理を重視しており、NSGにおける議論に積極的に参画している。


 
1)<http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/index.html

 
2)<http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/iaea/index.html

 
3)地下核実験を含むあらゆる「核兵器の実験的爆発及び他の核爆発」を禁止する条約 <http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/ctbt/index.html

 
4)米国、イスラエル、イラン、インド、インドネシア、エジプト、コロンビア、中国、北朝鮮、パキスタンの10か国が未批准

 
5)<http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/nsg/index.html


 

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