第5章 国際的な安全保障環境の改善 

第3節 軍備管理・軍縮・不拡散への取組


 近年、新たな脅威の1つとして大量破壊兵器やその運搬手段であるミサイルとこれらの関連機材・物資がテロリストや懸念国などに拡散する危険性が強く認識されている。このため、これらを規制し、その輸出を厳格に管理するといった不拡散への取り組みが、今日の国際社会の平和と安定にとって差し迫った課題となっている。
 他方、人道上の観点から、特定の通常兵器の規制を求める国際世論などが高まりを見せており、こうした人道上の要請と防衛上の必要性とのバランスを考慮しつつ、特定の通常兵器の規制問題に対応していくことが各国にとって重要な課題となっている。
 これら課題に対する取り組みとして、世界各国の協力の下、軍備管理・軍縮・不拡散にかかわる体制が整備されている。
(図表5-3-1参照)
 
図表5-3-1 通常兵器、大量破壊兵器、ミサイル及び関連物資等の軍備管理・軍縮・不拡散体制

 以上を踏まえ、わが国としては、核兵器のない世界を目指した現実的・漸進(ぜんしん)的な核軍縮・不拡散への取り組み、また、その他の大量破壊兵器やその運搬手段であるミサイルなどに関する軍縮・不拡散、さらに特定の通常兵器の規制問題に関する国際的な取り組みに積極的な役割を果たしていくこととしている。
 本節では、国連を含む国際機関などが行う軍備管理・軍縮・不拡散にかかわる体制や、それらに協力するために防衛庁・自衛隊が行っている取組について説明する。

 

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