第5章 国際的な安全保障環境の改善 

(VOICE)パキスタン等大地震に際しての国際緊急援助活動に従事した隊員などの声(空自)

パキスタン国際緊急援助隊 空曹長 鈴木昭二(すずきしょうじ)(現所属:第1輸送航空隊401飛行隊)

 今回の任務は、パキスタンの被災地まで援助物資などを空輸する陸自ヘリコプター(UH-1H)を、イスラマバードまで空輸することでした。そして、被災地で援助を待っている人たちのためにも、UH-1Hを無傷で目的地まで空輸し、すぐに活動を開始できるようにしなければなりませんでした。私は、C-130Hの空中輸送員として搭載計画を立て、搭載作業などの指揮監督や安全管理を実施しましたが、実際の運用面においてUH-1HをC-130Hに搭載するのは初めてだったため、手探りの部分が多く、非常に緊張する作業でした。
 本任務で苦労したのは、C-130Hの貨物室が、UH-1Hを搭載するのにぎりぎりの高さや幅であったことから、UH-1Hの風防ガラスやアンテナ類などを傷つけないように慎重に搭載を行わなければならないことでした。このため、搭載作業では、陸自隊員との緊密な連携が必要でした。
 さらに飛行中においても、突然の気流の乱れや離着陸時の振動などもありますので、細心の注意を払うなど、精神的な疲労もありましたが、支援を待つ被災者の気持ちや、任務の重要性を考え、「どんなにきつくても目的を達成してやるぞ!」という思いで任務を遂行しました。
 本任務に従事し、国際社会の中で日本の代表として任務を完遂できたことは、今後の自信につながり、誇りを持って職務に専念できます。また、日々訓練してきた成果を活かし、自己の能力を最大限に発揮したことにより、国民の信頼を得ることができたと思っています。
 
機内で作業を行う鈴木空曹長
 
空自C-130Hへの陸自ヘリコプターの搭載

 

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