第5章 国際的な安全保障環境の改善 

(VOICE)イラク人道復興支援活動に従事する隊員の声(陸自)

 第9次イラク復興支援群としてサマーワに派遣された鬼島夫妻に現地での活動について聞いてみました。
 
第9次イラク復興支援群 2等陸曹 鬼島 孝(きじま たかし)(現所属:第1高射特科大隊)
発電機を点検する鬼島2曹

 私は宿営地内で発電機等の整備を行いました。宿営地で働いているイラク人と話す機会がありましたが、彼らは現在電力不足から来る頻繁な停電で非常に困っています。それでも、常に明るい表情で「日本が大型発電所を作りはじめたから、そのうちに良くなるよ」と笑うのです。そうした笑顔に接していると、「ここに来て良かった。日本人で良かった。」と思い、日の丸を身に付けて活動していることを誇りに感じました。
 妻とは同時に派遣され、休憩時間くらいしか顔を合わせる機会がありませんでしたが、いつかイラクが復興し、イラク人自身の努力で豊かな国になって欲しいと話し合っていました。
 
第9次イラク復興支援群 陸士長 鬼島浩子(きじまひろこ)(現所属:第1高射特科大隊)
宿営地で炊事員として勤務する鬼島陸士長

 陸上自衛隊に入隊したころから、国際平和協力活動に参加することを希望していましたので、サマーワでのイラク人道復興支援活動への派遣要員に選定されたときは、光栄に思いました。夫も派遣を希望していましたが、同時に派遣されることを知ったときは、驚きと同時に、二人とも希望がかなったことを嬉しく思いました。
 現地で私は炊事員として勤務しましたが、厨房で扱う食材には、豚肉や料理酒等イラク人が宗教上避けているものは含まれていません。現地の人にそのことを話すと、「我々の文化を尊重し、イラクに溶け込もうとしてくれる日本人の熱意に感激します。」と熱っぽく語ってくれました。そうしたイラク人の生の声を聞いたときは、私もイラクの復興のために十分に力になっていると感じました。

 

前の項目に戻る     次の項目に進む