第5章 国際的な安全保障環境の改善 

3 テロ対策特措法と基本計画の概要


(1)テロ対策特措法の概要
 テロ対策特措法は、わが国が国際的なテロリズムの防止と根絶のための国際社会の取り組みに積極的・主体的に寄与するため、次の事項を定めてわが国を含む国際社会の平和および安全の確保に資することを目的としている。
1) 9.11テロ攻撃の脅威の除去に努めることで国連憲章の目的達成に寄与する米国をはじめとする諸外国の軍隊などの活動に対してわが国が行う措置、その実施の手続きその他必要な事項
2) 国連決議や国連などの要請に基づき、わが国が人道的精神に基づいて行う措置、その実施の手続きその他必要な事項
 同法には、自衛隊が行う活動として、1)協力支援活
5、2)捜索救助活動6、3)被災民救援活動7の3つの活動が定められている。このうち、協力支援活動(捜索救助活動の実施に伴い行う諸外国軍隊などに対する協力支援活動を含む。)として自衛隊が行う物品および役務の提供の種類は、図表5-1-9のとおりである。
 
図表5-1-9 協力支援活動として自衛隊が行う物品及び役務の提供

 また、同法は、施行の日から2年で効力を失うが、必要がある場合、別に法律で定めるところにより、2年以内の期間を定めて効力を延長することができるとされた限時法であり、03(平成15)年11月1日で、その期限が切れることから、同法の一部を改正し、05(同17)年11月1日まで2年間延長した。
 さらに政府は、「テロとの闘い」は続いているという基本的な情勢を踏まえ、国際テロの根絶に引き続き主体的に取り組む必要があると判断し、昨年10月に、06(平成18)年11月1日まで法律の効力をさらに1年延長する法案が国会で可決された。

(2)基本計画の概要
 国際テロ活動を取り巻く状況を踏まえ、インド洋での各国の活動は4年半以上にわたって行われている。政府は、各国の活動状況を踏まえ、引き続き協力支援活動を継続する必要があると判断し、昨年10月の派遣期間の延長に続き、本年4月に派遣期間の延長に関する9度目の基本計画の変更を行った。
 現在の基本計画の概要は、図表5-1-10のとおりである。
参照> 資料49
 
本年3月、インド洋に向け出港する補給艦「おうみ」(佐世保基地)
 
図表5-1-10 基本計画の概要
 
インド洋上で艦上体育を行う隊員



 
5)諸外国の軍隊などへの物品・役務の提供、便宜の供与その他の措置であって、わが国が実施するものをいう。(同法第3条1)

 
6)諸外国の軍隊などの活動に際して行われた戦闘行為によって遭難した戦闘参加者(戦闘参加者以外の遭難者があるときには、これを含む。)の捜索又は救助を行う活動であって、わが国が実施するものをいう。(同法第3条2)

 
7)テロ攻撃に関連する国連決議や国連などの要請に基づき、被害を受け又は受けるおそれがある住民など(被災民)を救援するため、人道的精神に基づいて行われる活動(食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の輸送、医療など)であって、わが国が実施するものをいう。(同法第3条3)


 

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