第5章 国際的な安全保障環境の改善 

3 日本の取組に対する評価


 わが国のイラクの国家再建に向けた取り組みに対して、イラク、その他海外から次のような評価や感謝が表明されており、現地の世論調査でも回答者の8割が支持を表明している。

(1)イラクにおける評価
 昨年12月の基本計画延長に先立ち、ジャファリー・イラク首相(当時)が訪日した際、小泉総理との日イラク首脳会談において、イラク国民を代表し、自衛隊の派遣や米国に次ぐ世界2番目のODA支援、約60億ドルの債務削減など、日本のさまざまな支援に深い謝意を表明した。加えて、自衛隊の活動については、人道復興支援という自衛隊の活動の性格はイラク国民から十分理解されており、地域に溶け込んで地域に貢献していることを高く評価し、自衛隊派遣の延長を要請した。
 また、ズィーバーリー・イラク外務大臣が昨年11月に来日した際、麻生外務大臣との会談において、自衛隊の支援活動に謝意を表明するとともに、「同活動は現地の人々に歓迎されており、長くイラク国民の記憶に残り忘れられることはないだろう。」と述べた。
 陸自部隊の撤収が決定された後の本年6月22日には、イラクのマーリキー首相が小泉総理と電話で会談し、サマーワからの撤収を決めた陸自の活動に謝意を表明した。

(2)諸外国の評価
 ブッシュ米大統領は、本年6月に小泉総理が訪米した際の日米首脳会談において、アフガニスタンおよびイラクにおける日本の人道復興支援、ならびにインド洋において活動する各国軍に対する日本の支援を賞賛した。
 また、昨年7月、ライス米国務長官が訪日し、イラクおよびアフガニスタンにおける日本の貢献を高く評価するとともに「日本の支援が、イラク国民に対して素晴らしい支援を行っている」と述べ、わが国独自の支援がイラクで成功していることを高く評価した。
 さらに、本年1月に、額賀防衛庁長官が米国を訪問し、ラムズフェルド米国防長官と日米防衛首脳会談を行った際に、ラムズフェルド米国防長官は、これまでのわが国の対応を高く評価した。また、サウジアラビア王国の国防航空相兼総監察官のスルタン皇太子殿下が同年4月訪日し、小泉総理との会談において、イラクの復興と安定に対する日本の貢献を評価するとともに謝意を表明した。

 

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