第5章
国際的な安全保障環境の改善
第1節 国際平和協力活動への取組
今日の国際社会は、国際テロ、大量破壊兵器などの拡散、複雑で多様な地域紛争、国際犯罪といった地球規模の問題に直面している。また、移動手段・通信手段の急速な発達に伴うグローバル化により、わが国から遠く離れた地域で発生した事態であっても、わが国にその脅威や影響が及びうることが懸念されるようになった。
こうしたグローバルな脅威への対応は、一国のみでの解決が困難であり、また、軍事面のみならず、さまざまな分野でのアプローチが必要であることから、国際社会が一致、協力して取り組むことが必要であると認識されている。
防衛大綱
1では、国際社会の取り組みを踏まえ「国際的安全保障環境を改善し、わが国に脅威が及ばないようにすること」を、わが国の防衛とともに、安全保障の目標として掲げている。このため、政府開発援助(ODA)の活用を含め外交活動を積極的に推進するとともに、国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動(以下「国際平和協力活動」という。)を外交と一体のものとし、主体的・積極的に取り組むことにしている。
参照>
2章2節2
本節では、防衛大綱を踏まえた今後の防衛庁・自衛隊における国際平和協力活動への取り組みとその内容について説明する。