第3章 わが国の防衛のための自衛隊の運用と災害派遣や国民保護 

(VOICE) 国民保護のための取組(鳥取県における県庁と自衛隊の連携)

鳥取県防災局防災危機管理課 主幹  予備3等陸佐  水中進一(みずなかしんいち)

 鳥取県では、国民保護法が成立する以前の平成15年から国民保護に取り組み、昨年末には国との共同図上演習や実動訓練を行いました。私は、計画の作成や訓練に当初から参画しています。
 鳥取県の取り組みの特徴は、県と市町村が共同で取り組んでいることと、地元の自衛隊の部隊から可能な限りの協力を得ていることだと思います。特に、陸自第8普通科連隊(鳥取県米子市)の協力を得て、住民避難の事例、地図の使用方法や計画作成の方法など行政にはないノウハウを活用し、国民保護計画の作成に円滑に取り組むことが出来ました。またこれを通じて、自衛隊が、住民の避難の中、侵略の排除を行う場合には、四方を海と山に囲まれ、交通に制限がある鳥取県では、住民の避難経路等、道路の使用についての特別の考慮が必要となることなども理解できました。
 さらに国との共同図上訓練実施に際しては、県の国民保護対策本部に第8連隊から要員に参加してもらい、刻々と変化する状況をフォローするための状況図の作成方法など、対策本部が活動するための色々なノウハウを頂きました。余談ですが、これらを通じて、それまでは自衛隊との面識があまりなかった市町村レベルでも、日頃からの自衛隊の活動に対する相互理解が進み、自然災害においても円滑な連携が期待されるところです。
 この他、鳥取県では、本年3月に自衛官OBでつくる隊友会と協定を結び、防災とともに、国民保護のために住民の避難誘導に協力をいただくことになっています。鳥取県の国民保護を充実させていくために、今後とも関係各機関の皆様にご協力いただきたいと思っています。
 
著者(中央)

 

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