第3章 わが国の防衛のための自衛隊の運用と災害派遣や国民保護 

2 統合運用体制への移行の必要性


1 陸・海・空自衛隊の一体的運用による迅速かつ効果的な対応


 わが国に対する侵略事態などに対処する場合、「各自衛隊ごとの運用を基本とする態勢」では、各自衛隊は、たとえ、同一の作戦地域において行動する場合でも、それぞれの作戦構想に基づいて個別に行動し、必要に応じて統合調整を行って対処する必要があったため、迅速性、適時性の観点から問題があった。そのため、平素から、統合の視点から企画・立案した作戦構想に基づいて、各自衛隊が有機的に連携し、迅速かつ効果的に任務を遂行し得る統合運用の態勢を確立しておくことが必要である。また、情報通信技術など、進歩する軍事科学技術を最大限に活用することにより、各自衛隊が情報を同時に共有し、一体的に活動することも不可欠である。

 

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