第5章 国際的な安全保障環境の改善 

4 多国間の共同訓練


1 アジア太平洋地域での多国間共同訓練の意義


 00(平成12)年から、アジア太平洋地域では、地域の平和と安定のため、人道支援活動、災害救援、非戦闘員退避活動などにかかわる多国間における協力の基盤づくりを行うよう、それまで行っていた戦闘を想定した訓練に加え、人道支援活動などへの対応を取り入れた多国間での訓練への取り組みが始まった。
 具体的には、00(同12)年のリムパックでの難民救援訓練、米国・タイなどが人道支援活動や平和執行活動などに焦点をあてて行っているコブラ・ゴールド演習、シンガポール(00(同12)年)、わが国(02(同14)年)および韓国(04(同16)年)が主催した西太平洋潜水艦救難訓練などがあげられる。
 防衛庁・自衛隊としては、このような多国間共同訓練に参加し、また、これを主催することは、自衛隊の各種技量の向上はもとより、関係国間の各種調整や意見交換を通じ、協力の基盤づくりに寄与するものと考えており、引き続き、主体的・積極的に取り組んでいくこととしている。

 

前の項目に戻る     次の項目に進む