第5章 国際的な安全保障環境の改善 

2 アジア太平洋地域での多国間共同訓練の主催など


(1)多国間共同訓練の主催など
 わが国が主催する初めての多国間共同訓練として、02(同14)年4月、海自主催により、西太平洋潜水艦救難訓練1を行った。また、同年10月には、海自が国際観艦式に引き続き、多国間捜索救難訓練2を主催した。捜索・救難訓練は、98(同10)年以降、二国間で行われていたが、多国間の枠組みで行われたのは、この訓練が初めてであった。
 また、自衛隊は、01(同13)年以降、毎年行われているコブラ・ゴールド演習に、オブザーバーを派遣してきた。昨年行われた同演習は、国際的な災害救援活動に係る演習として実施され、要員が初めて参加した。さらに本年5月、国連平和維持活動の指揮所演習に参加した。
 最近、自衛隊が参加している多国間共同訓練は、図表5-2-7のとおりである。
 
図表5-2-7 多国間共同訓練への参加など(昨年以降)

(2)多国間共同訓練へのオブザーバーの派遣など
 01(同13)年9月、わが国で行った第4回日露捜索・救難共同訓練に、アジア太平洋地域の8か国から9名のオブザーバーの参加を得て以来、諸外国からのオブザーバーの招へいにも取り組んでいる。
 また、陸自は、02(同14)年以降、多国間協力の一環として、毎年アジア太平洋地域多国間協力プログラム(MCAP:Multinational Cooperation program in the Asia Pacific)を主催し、アジア太平洋地域を中心とした関係各国からオブザーバーを招へいしている。
(図表5-2-8参照)
 
図表5-2-8 多国間共同訓練へのオブザーバー派遣など(昨年以降)


 
1)00(平成12)年、シンガポール海軍が主催した第1回西太平洋潜水艦救難訓練に、海自は艦艇2隻を派遣した。
また、02年(同14)の第2回目の訓練には、海自の艦艇3隻を含め、5か国10隻の艦艇が参加し、九州西方海域で、潜水艦救難技術の展示などを行った。


 
2)日本、インド、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、ニュージーランド、フランス、ロシアの9か国が参加し、関東南方海域などにおいて、海自の艦船が模擬した遭難商船に対して参加国の艦艇などが、捜索・救難を行う手順や共同要領を訓練した。


 

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