第5章 国際的な安全保障環境の改善 

7 東南アジア諸国との防衛交流


 東南アジア諸国は、海上交通の要衝(ようしょう)を占める地域に位置するとともに、わが国と密接な経済関係を有しており、これらの国々と安全保障上の諸問題について対話を促進し、協力の基盤をつくることは、双方にとって有意義である。
 昨年11月、守屋事務次官が、フィリピンを訪問し、フィリピンのクルス国防長官、サントス、カロリナ両国防次官と地域情勢、海上の安全保障やテロ対策に関する協力について意見交換を行った。
 また、本年6月にシンガポールで開催されたIISSアジア安全保障会議の際に、額賀防衛庁長官はインドネシアのユウォノ国防大臣やフィリピンのクルス国防長官と会談を行った。
 最近の主なハイレベルの交流は、図表5-2-2のとおり行われており、東南アジアとの交流は着実に進展している。
 
図表5-2-2 東南アジア諸国との交流(昨年以降)

 実務者レベルの防衛当局者間の定期協議も順調に行われており、安全保障・防衛分野での意見交換を通じて相互理解と信頼関係の増進に努めている。また、各種幕僚協議、研究交流、留学生の派遣・受入れ、艦艇の訪問を中心とした部隊間の交流なども着実に行われている。これらの交流は、地域の平和と安定に重要な役割を果たしうる多国間のネットワークを構築する基礎となっている。

 

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