第5章 国際的な安全保障環境の改善 

8 その他の諸国との防衛交流


 防衛庁は、先述の近隣諸国のほかにも国際社会におけるテロとの戦いで重要な役割を担っているパキスタン、ゴラン高原で共に活動してきたカナダ、アジア太平洋諸国の一員であるモンゴル、タイ、シンガポール、ベトナム、イラクにおける自衛隊の活動で関係するクウェート、UAE、さらには、その他の欧州諸国やNATOをはじめ、多くの国々とハイレベルの交流、実務者レベルの定期協議やアドホックの協議(オランダ、ベルギーなど)、留学生の派遣・受入れなどを行っている。
 また、部隊間の交流では、国際平和協力活動の派遣先における部隊相互の交流、艦艇の訪問などを活発に行っている。
 最近の主なハイレベル交流は、図表5-2-3のとおり行われており、多数の国々との緊密な協調関係の構築を図っている。
 
図表5-2-3 その他の諸国などとの交流(昨年以降)
 
ルッツ・フェルト・ドイツ海軍総監(右)と懇談する齋藤海幕長(左)

 本年1月には、愛知防衛庁長官政務官が、オーストリア、スロバキアおよびチェコを訪問し、オーストリアのプラッター国防大臣、スロバキアのフエドル国防副大臣、チェコのキューソル国防大臣およびビエルチーク国防次官との間で地域情勢や国際活動について意見交換し、防衛交流の重要性について認識が一致した。
 実務者レベルの定期協議としては、昨年12月、局長・審議官級の日ニュージーランド防衛当局間協議が初めて実施された。
 また、部隊間の交流としては、昨年、海自の練習艦隊が、遠洋練習航海で5年ぶりの世界一周のコースで、13か国14寄港地を親善訪問した。特に、初めて訪問したロシアでは、サンクトペテルブルクにおいて日露通好150周年の記念行事に参加するなど、各国で友好親善を深めた。
 このようにわが国は、自由と民主主義といった国の基本となる価値観を共有する国々と交流することにより、世界レベルでの平和と安定に重要な役割を果たしている。
 
図表5-2-4 わが国の防衛交流の拡大の例

 

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