第2章 わが国の防衛政策の基本 

3 武器輸出三原則等


 防衛大綱の策定の際に発出された官房長官談話の中では、武器輸出管理に関する事項として、国際的に弾道ミサイルの拡散が進展する中で、BMDシステムに関する案件については、日米安保体制の効果的な運用に寄与し、わが国の安全保障に資するものであることから、現在実施している日米の共同技術研究の進捗状況も踏まえ、共同で開発・生産を行うこととなった場合には、厳格な輸出管理を行うという前提で武器輸出三原則等によらない、との言及がなされている1
参照> 資料13資料43

 また、併せて、防衛大綱策定の過程で問題提起があった米国との共同開発・生産案件やテロ・海賊対策支援などに資する案件については、今後、国際紛争などの助長を回避するという平和国家としての基本に照らし、個別の案件ごとに検討の上、結論を得ることとされた2
 なお、武器の輸出管理については、武器輸出三原則等のよって立つ平和国家としての基本理念にかんがみ、今後とも引き続き慎重に対処するとの方針を堅持していく旨についても同談話の中で明らかにしている。


 
1)この談話も踏まえつつ、BMDについての海上配備型上層システムに係る日米共同技術研究については、平成18年度より日米共同開発に着手することを05(平成17)年12月24日に安全保障会議および閣議において決定した。また、同日発出された、官房長官談話においては、「本件日米共同開発において米国への供与が必要となる武器については、武器の供与のための枠組みを今後米国と調整し、厳格な管理の下に供与する」こととした。(3章2節参照)

 
2)その後、本年6月、インドネシア共和国に対するテロ・海賊行為等の取締り・防止に対する支援として、武器輸出三原則等における武器等に当たる巡視船艇に係る無償資金協力を行うことを決定した際の官房長官談話において、当該巡視船艇の輸出については、相手国政府との国際約束で、目的外に使用しないことおよびわが国の事前同意なく第三者に移転しないことが担保されることを条件として、武器輸出三原則等によらないこととした。


 

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