6 技術研究開発の充実
近年の景気後退、防衛装備品の調達額の抑制傾向に伴う技術者削減など、防衛産業における研究開発環境の変化により、防衛庁の研究開発の円滑な実施に支障をきたしかねない状況にある。このような中で、より一層効果的・効率的な研究開発を行うとの観点から、01(平成13)年6月に今後の技術研究の実施のあり方や研究開発体制の見直しなどの方向を示した研究開発ガイドライン
1を策定した。
研究開発ガイドラインにおいては、優れた民生技術を積極的に導入・応用する一方、民間技術力のみに依存できない技術分野については、適切な基盤の維持・育成を図ることや、わが国の独自性を必要とする技術分野については、引き続き自主的な取組を行う一方、米国との技術協力を行うことなどの基本的な考え方を示しているほか、防衛技術分野で重点的に取り組むべき分野、研究開発実施の多様化などについても示している。
防衛庁は、この研究開発ガイドラインをも踏まえつつ、防衛力の主要な構成要素である装備品などの開発や、将来の戦闘様相において敵を優越する装備品を生み出すための最先端技術に関する研究を推進してきた。
さらに、この研究開発ガイドラインに示された内容を進化させるべく、「防衛力の在り方検討会議」や総合取得改革推進委員会においても、今後の研究開発のあり方を検討した。この中で、1)中長期的視点に立った技術戦略の策定、2)最新技術などへの弾力的な対応のための新たな研究開発手法の導入、3)科学技術の著しい発展を踏まえた民生技術の積極的な導入、4)事業の見直しを行う制度の実効性の確保などを推進することとしている。