第4章 国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組 

3 国際テロ対応のための活動(インド洋などでの活動)


 01(平成13)年9月11日に発生した米国同時多発テロ(9.11テロ)を踏まえ、わが国は早い段階から国際的なテロリズムとの闘いを自らの問題と認識し、その防止と根絶のための取組に積極的・主体的に寄与するとの立場をとった。そこで、憲法の範囲内で、できるかぎりの支援、協力を行うため、政府は、同年10月、第153回臨時国会にテロ対策特措法案を提出、同法案は同月、可決、成立した。
 これを受け、同年11月以降、海自は、インド洋上の米艦艇などへの給油を主とする協力支援活動と被災民救援活動を、空自は、協力支援活動として、米軍の物資などの輸送を開始し、海・空自衛隊は現在も活動を継続している。
 特に、海自がインド洋で給油している米軍などの艦艇は、ペルシャ湾などにおける対テロ海上阻止活動を通じ、03(同15)年12月以降だけでも、不審船から9トン以上の麻薬を押収するとともに、大量の小銃や携帯用対戦車ロケットを発見するなどの成果を挙げている。また、アルカイダへの関与の疑いのある乗組員の拘束やテロリストの海路による移動の阻止など、テロとの闘いの進展に大いに貢献している。

 
パキスタン軍艦艇(右)に洋上補給を行う補給艦「はまな」(中)と護衛艦「きりしま」(左)

 こうした国際テロ対応のための国際社会の取組に対するわが国の活動は、米国をはじめとする国際社会から高い評価を受けており、国際社会における信頼の向上のみならず、日米の安全保障面での協力を更に緊密かつ実効性のあるものとする上で有意義である。
 9.11テロ発生からテロ対策特措法の成立及び同法に基づく活動の開始に至るまでの経緯の概要は、次表のとおりである。

 
米軍補給艦に洋上補給を行う補給艦「ときわ」(手前)

 
米国における同時多発テロへの対応の主な経過概要

 

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