第3章 新たな脅威や多様な事態への実効的な対応と本格的な侵略事態への備え 

災害派遣に従事した隊員の声(空自)

秋田救難隊 2等空曹 山崎 優

 秋田空港に所在し、U-125A及びUH-60Jを駆使して航空救難を実施する空自秋田救難隊では、派遣要請を受け各種災害派遣も実施しています。
 昨年、新潟県中越地震発生後の災害派遣活動に従事した際の苦労話などを山崎2等空曹に聞きました。

 
秋田救難隊 山崎2等空曹

Q1:本任務に従事して良かった事について

 地震発生に伴う災害派遣活動への参加は、私にとって初めての経験であり的確な活動ができるかどうか少々不安もありました。しかしながら今まで培ってきた経験をすべて出しきって全力で臨んだ結果、被災地で恐怖と不安を抱き孤立している多数の地元住民を無事救出することができたのだと思います。今回の救助活動は、今後の活動への反映のためにも非常に重要な経験であったと言えます。

Q2:本任務で苦労したことについて

 被災地の詳しい情報を入手することが困難であったことから、現場に到着するまでの時間内に明確な救出要領をイメージアップすることができず大変に不安を感じました。
 現場に到着すると被災者の多くは高齢者で、なおかつ恐怖と不安を抱いていたこともあり、救出作業においては細心の注意と予想以上の時間を要することとなりました。被災者の数が多かったことから、限られた時間の中で一人でも多くの方を救出する必要があり、心の焦りとの戦いでもありました。

Q3:派遣時のエピソードについて

 救助した被災者で混雑している機内において、耳にはピアス、髪は金髪という一般的には個人主義で公共活動には非協力的なイメージの若者が率先して支援をしてくれたことが意外であり、自己の固定観念を恥じる気持ちと日本はまだまだ大丈夫との安堵で、何故かものすごく嬉しかったです。

 

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