第3章 新たな脅威や多様な事態への実効的な対応と本格的な侵略事態への備え 

急患輸送に従事する隊員の声(海自)

大村航空隊 2等海尉 上村竜三

 長崎県に所在し、洋上や沿岸の哨戒などを任務とするSH-60Jを擁する海自大村航空隊では、県内に離島が数多く存在することもあり、派遣要請を受け急患輸送も頻繁に行っています。
 昨年、大村航空隊だけでも200回にも及ぶ急患輸送を実施しており、その際の苦労話などを上村2等海尉に聞きました。

 
大村航空隊 上村2等海尉

Q1:本任務に従事して良かった事について

 急患輸送終了後、後日、患者やそのご家族などから感謝状をいただき、順調に回復していることを知ったとき、自分自身のことのように嬉しくなります。

Q2:本任務で苦労したことについて

 出動要請に昼夜、天候の区別はありません。夜間、悪天候、具体的には、強風や大雪による視界不良といった航空機の運航制限ぎりぎりのところで急患輸送を実施する際、二次災害を起こさぬよう細心の注意を払います。
 また、患者の容態急変に対し機内での対処能力は限られるため、輸送中はいつも祈るような思いです。

Q3:出動時のエピソードについて

 悪天候下の急患輸送中、同乗医師と患者の付添人が「飛行機酔い」に陥り、患者が1名から3名になってしまったことがありました。
 また、天候不良により、目的地に到達することがかなわず大村基地に引き返さなければならなかったときには、我々を待ってくれていた患者の容態が気になって仕方がありませんでした。

 

前の項目に戻る     次の項目に進む