第3章 新たな脅威や多様な事態への実効的な対応と本格的な侵略事態への備え 

第3章
新たな脅威や多様な事態への実効的な対応と本格的な侵略事態への備え


第1節 新たな脅威や多様な事態への実効的な対応


 新防衛大綱1では、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織の活動などにより大きく変化した安全保障環境を踏まえ、新たな脅威や多様な事態2への実効的な対応を防衛力の第一の役割として位置付けている。そして、新たな脅威や多様な事態のうち、主なものに関する対応と自衛隊の体制の考え方について、弾道ミサイル攻撃への対応、ゲリラや特殊部隊による攻撃などへの対応、島嶼(とうしょ)部に対する侵略への対応、周辺海空域の警戒監視及び領空侵犯対処や武装工作船などへの対応、大規模・特殊災害などへの対応の5項目を例示している。これらは、防衛出動によって対処する場合や必ずしも防衛出動に至らない場合であっても、わが国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、これらの事態に防衛庁・自衛隊としていかに迅速かつ適切に対応するかは、大きな課題である。
 本節では、新防衛大綱に例示された5項目をはじめとする新たな脅威や多様な事態に対する自衛隊の対処のあり方、防衛庁・自衛隊がこれまで取り組んできている事項について説明する。

 
陸・海・空防衛力の特性とキャッチフレーズ


 
1)「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について」2章2節参照

 
2)大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威や平和と安全に影響を与える多様な事態


 

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