2 日米安全保障体制に関連する諸施策
日米安全保障共同宣言以後の動き
(1)日米安全保障共同宣言
96(平成8)年4月に東京で開催された日米首脳会談では、21世紀に向けた両国の協力関係の方向性を示した「日米安全保障共同宣言」が発表された
1。
この日米安全保障共同宣言においては、日米安保条約を基盤とする両国間の安全保障面の関係が、この地域の安定的で繁栄した情勢を維持するための基礎であり続けることを再確認した上で、わが国防衛のための最も効果的な枠組みは、日米両国間の緊密な防衛協力であることなどを確認した。
また、日米同盟関係の信頼性を高める上で重要な柱となる具体的な分野での協力(政策協議、「日米防衛協力のための指針」
2の見直し、装備・技術分野での相互交流など)を進めていくこととした。
(2)日米安全保障共同宣言以後の動き
日米安全保障共同宣言を踏まえ、日米両国は97(同9)年9月に新たな「日米防衛協力のための指針」(指針)を策定した。また、わが国は、指針の実効性を確保するための施策として、周辺事態安全確保法
3などを制定するなどの施策を講じた。これらの施策を通じ、日米間の防衛協力はより一層効果的なものとなり、日米安保体制の信頼性が一層向上した。
また、多くの面で基本的価値と利益を共にしている日米両国による協力関係は、日米安保体制の下で行われるものに限定されず、アジア太平洋地域のみならず、世界における広範な課題を対象とした協力関係である。
02(同14)年12月に開催された日米安全保障協議委員会(
SCC:Security Consultative Committee)
4(いわゆる「2+2(ツープラスツー)」会合)において、両国の役割と任務、兵力と兵力構成、地域の課題やグローバルな諸課題への対処における二国間協力、国際的な平和維持活動その他の多数国間の取組への参画、ミサイル防衛についての更なる協議と協力、在日米軍の施設・区域にかかわる諸問題解決に向けた進展といった広範な課題を日米間で扱うこととされた
5。また、03(同15)年5月の日米首脳会談において、日米両国は国際テロや大量破壊兵器の拡散などグローバルな課題への取組について国際社会と協力しつつ連携を強化することなど「世界の中の日米同盟」を強化していくことで意見が一致した。