第2章 わが国の防衛政策の基本と新防衛大綱、新中期防など 

留意事項

 新防衛大綱においては、防衛力の整備、維持及び運用に際して、次の点に留意してこれを行うものとしている。

(1)財政事情、装備品等の取得、防衛施設の維持・運用
 格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、一層の効率化、合理化を図り、経費を抑制するとともに、国の他の諸施策との調和を図りつつ防衛力全体として円滑に十全な機能を果たし得るようにする必要がある。
 また、装備品などの取得に当たっては、その調達価格を含むライフサイクルコスト5の抑制に向けた取組を推進するとともに、研究開発について、産学官の優れた技術の積極的導入や重点的な資源配分、適時適切な研究開発プロジェクトの見直しなどにより、その効果的かつ効率的な実施を図ることとしている。また、わが国の安全保障上不可欠な中核技術分野を中心に、限られた資源をその分野に重点的に配分(選択と集中)し、真に必要な防衛生産・技術基盤の確立に努めることが必要である。
 さらに、防衛施設の効率的な維持及び整備を推進するため、関係地方公共団体との緊密な協力の下、当該施設の周辺地域とのより一層の調和を図るための諸施策を実施することとしている。

(2)防衛力の目標の達成時期とその見直し
 新防衛大綱については、その特徴の1つとして、具体的な防衛力の目標の達成時期をより明確に示すことが重要との考えから、防衛力のあり方についておおむね10年後までを念頭に置くと明示された点が挙げられる。
 51大綱や07大綱においては、閣議決定された別表自体には達成すべき時期が明示されていないが、新防衛大綱においては、わが国の防衛力のあり方について可能な限り具体的に国民に示す必要があるとの考え方から、新防衛大綱においては、目標水準のみならず、その達成時期を示したものである。
 また、防衛力のあり方については、変化し続ける安全保障環境や技術的動向などを踏まえ、定期的に見直しを行うことが望ましい。こうした考え方の下、新防衛大綱においては、5年後又は情勢に重要な変化が生じた場合に、その時点における安全保障環境、技術水準の動向などを勘案し検討の上、必要な修正を行うこととした。


 
5)調達から廃棄までの間にかかる総費用


 

前の項目に戻る     次の項目に進む