地域紛争の性格は必ずしも一様ではない。それぞれが民族、宗教、領土、資源などの問題に起因し、その態様も武力紛争のみならず軍事的対峙の継続まで様々である。
　冷戦終結以前より、中東、インド・パキスタン、朝鮮半島などのように、長期間にわたって軍事的対峙などが継続している地域もある。冷戦終結後も、国家間の武力紛争は依然として発生しており、イラクのクウェート侵攻や、エチオピア・エリトリア間の国境紛争がその例である。また世界各地で、民族、宗教、資源などに起因する内戦も継続しており、それに伴い発生した人権侵害、難民、飢餓、貧困、テロなどが国境を越えて広がり、国際問題化する場合なども見られる。