第6章 今後の防衛庁・自衛隊のあり方 


Q&A 統合運用

Q 「統合運用」というのは、どういう意味ですか?

A 統合運用とは、自衛隊が、陸・海・空自衛隊ごとに個別に活動を行うのではなく、はじめから一緒に一体となって活動を行うことです。
 自衛隊の活動は、陸・海・空自衛隊ごとに、個別に行う場合とはじめから一緒に一体となって活動する統合運用の場合に区分されており、現在においても自衛隊の統合運用は可能です。さらに、統合運用の場合は、その形態により、協同により活動する場合1と統合部隊を編成して活動をする場合2の2つに区分されます。
 しかしながら、軍事科学技術や情報通信技術の発達により、陸・海・空自衛隊の作戦地域が重複し、複雑で広い範囲の活動を行う機会が多くなる環境においては、現在の統合運用の態勢によっても環境の変化に対応しきれない恐れがあると考えられます。現在の統合運用の態勢をさらに強化し、日頃から陸・海・空自衛隊全体を通じた統一的で一体的な構想に基づいて計画を作り、陸・海・空自衛隊が力を合わせて、素早く、そして上手く力を発揮できるように行動する新たな統合運用態勢を作っておくことが必要不可欠になります。



 
1)協同により活動する場合とは、ある特定の共通の目的を達成するために、指揮関係にない2つ以上の自衛隊の部隊がそれぞれの指揮系統に基づいて、相互に協力して活動を行うことである。

 
2)統合部隊を編成して活動をする場合とは、現状では、自衛隊法第22条に基づき統合部隊を編成する必要がある場合のことであり、出動時その他統合運用が必要と長官が認める場合に、作戦の目的や任務の特性などに応じて、適任者を統合部隊指揮官に任命し、各自衛隊の部隊から所要の部隊を抽出し、統合部隊を編成し活動を行うことである。


 

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