第6章 今後の防衛庁・自衛隊のあり方 

科学技術の飛躍的進展

 情報通信技術の大幅な進歩に伴って軍事科学技術も飛躍的向上を遂げてきている。その中でも米国は、軍事面でも高度なネットワーク化・統合化、無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)、偵察衛星などによる情報優越の追求、精密誘導兵器の活用による人的被害の極小化などを図るとともに、ミサイル防衛技術も飛躍的に進歩させている。こうした科学技術の進歩は、戦闘力の飛躍的向上などの軍事力の変革をもたらし、旧来の装備では戦闘に支障が生ずる状況も現出しつつあるが、今後この傾向はますます加速される可能性が高く、そうした科学技術の飛躍的進展は、わが国を含む各国の防衛戦略などにも大きな影響を与え、装備体系などの見直しを迫るものとなっている。
 米国を中心とする先進諸国は、引き続き軍事科学技術をさらに高度化させていくものと考えられる。特に米国は、圧倒的な技術力を有しており、他国が追随できないペースでその向上を図るものと考えられる。わが国としても、このような軍事科学技術の格差の拡大にいかに対応していくのかが大きな課題となっている。
 
軍事における情報・指揮通信能力の向上
 
精密誘導兵器の投入量の変還


 

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