第3章 わが国の防衛と多様な事態への対応 


Q&A 国民保護法制

Q1 武力攻撃事態対処法及び国民保護法で規定する緊急対処事態とは、どのような事態で、どう対処するのですか?

A 緊急対処事態とは、武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態又はそのような行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することにより国民の生命、身体及び財産を保護することが必要なものとして内閣総理大臣が認定したものをいいます。この認定は、閣議決定によって行われます。

 この認定を行うことにより、武力攻撃に準じた大規模なテロなどが発生した場合においても、武力攻撃事態における国民の保護のための措置に関する規定が準用されることとなります。

 対象とする緊急対処事態の具体例としては、原子力発電施設の破壊、炭疽菌などを用いた生物テロ、航空機による自爆テロなどの事態を想定しています。

 このような緊急対処事態に必要な措置として、住民の避難、避難住民への救援、攻撃により生じた被害への対処、放射性物質の汚染への対処などを考えています。これらの措置については、武力攻撃事態における場合と同様に、国が自ら対処することによって被害の軽減を図っていくこととしています。

Q2 国民保護法における「国民の協力」として、具体的にどのようなことを考えているのですか?

A 武力攻撃事態対処法第8条では、「国民は、国及び国民の安全を確保することの重要性にかんがみ、指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が対処措置を実施する際は、必要な協力をするよう努める」ものと規定しています。
 具体的には、国民保護法では、国や地方公共団体が、
1)住民の避難や被災者の救援の援助
2)消火、負傷者の搬送、被災者の救助などの援助
3)保健衛生の確保に関する措置への援助
4)避難に関する訓練への参加
について、住民に協力を要請することができることとしています。

 国民の協力は、国民の自発的な意思にゆだねられるものであって、その要請にあたって強制に及ぶことがあってはならない旨の規定を設けています。


 

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