第3章 わが国の防衛と多様な事態への対応 


解説 生物偵察車

 冷戦終結後、生物兵器の世界的な移転・拡散が新たな脅威として懸念されている。生物剤は、広範囲に感染が拡大し、大量無差別の殺傷を引き起こす可能性があるため、わが国としても早期に対処する体制を整備する必要がある。防衛庁・自衛隊では、生物剤対処のために最初に必要となる検知・同定1機能の充実を重視しており、平成14年度に研究用器材として生物剤検知装置(設置型)を取得し、平成14年度から15年度にかけてプラスチック粒子などの安全な模擬剤を用いた運用研究を行った。

 この成果を踏まえ、検知・同定能力を速やかに備えるため、平成16年度予算において生物偵察車を新たに導入することとしている。
 また、この生物偵察車は、陸自の化学防護部隊に配備される予定であり、汚染地域に前進して生物剤の検知・識別を行い、汚染状況を解明するといった活躍が期待されている。
 
生物偵察車(イメージ図)



 
1)生物剤の種類を特定すること。


 

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