第3章 わが国の防衛と多様な事態への対応 


解説 陸・海・空防衛力の特性を表現するキャッチフレーズ

 陸・海・空自衛隊は、それぞれの防衛力の特性を表現できるようキャッチフレーズを考えています。

陸上自衛隊:Final Goal Keeper of Defense(ファイナル ゴールキーパー オブ ディフェンス)
 陸上防衛力は、国防においても、国際任務においても、国家の意思を体現する「防衛力の要」としての位置づけにあることから、サッカーに例えると「ゴール・キーパー」と呼ぶに相応しい。これは、新たな脅威及び多様な任務に柔軟に対応するとともに、国際的な安全保障環境の安定化のための取り組みにおいて、「日本として目に見える活動」ができ、国家防衛の最後(ファイナル)の砦であることを示している。

海上自衛隊:First Line of Defense(ファースト ライン オブ ディフェンス)
 四面環海のわが国は、資源・エネルギー、食糧などを輸入し、工業製品を輸出して国家の繁栄を支えており、これらは海上交通に大きく依存している。広大な海洋を活動の舞台とする海上自衛隊は、この海上交通路を「防衛の最重要ライン」と位置づけ、海上防衛に任じている。また、万一、わが国に対する侵攻が行われる場合には、敵は遠く海を経由して侵攻してくることから、海上における防衛は、正にわが国「防衛の第一線」と認識しており、「First Line of Defense」は、これらの意味を含んでいる。

航空自衛隊:Key to Defense, Ready Anytime(キー トゥ ディフェンス、レディ エニィタイム)
 航空防衛力は、戦い全般の帰趨を決定する力であり、陸・海作戦にも大きな影響を与える航空優勢獲得の中心的な役割を担っている。その意味で、わが国の防衛の「鍵」であり、「Key to Defense」は、それを端的に表している。また、領空侵犯に対する措置及び急襲的に行われる航空侵攻などに対する措置は、他の組織をもって代替することのできない重要な役割である。「Ready Anytime」は、これらの措置を迅速かつ適切に行うことができるよう平素から即応態勢を保持する航空自衛隊の姿を表す言葉である。


 

前の項目に戻る     次の項目に進む