第2章 わが国の防衛政策 


Q&A 敵基地攻撃

Q わが国に対してミサイル攻撃が行われた場合、わが国は敵基地を直接攻撃できるのですか?

A わが国が現に保有する防衛力についていうと、自衛隊は、現在、敵基地を攻撃することを目的とした装備体系(たとえば、敵基地の正確な位置を把握し、敵の地上レーダー・サイトを無力化した上で、敵基地を正確に攻撃することに適した装備体系)を持っていないことから、自衛隊が敵基地に対し、軍事的に有効な攻撃を行うことは、現実の可能性として極めて難しいところです。わが国に対してミサイル攻撃が行われた場合には、日米安保体制の枠組みに基づく日米共同対処ということが考慮されるべきであり、「日米防衛協力のための指針」においても、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」とされています。

 なお、政府は、従来から次のような見解を明らかにしています。

 「わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾などによる攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば、誘導弾などによる攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。」(56(昭和31)年2月29日 衆議院内閣委員会 鳩山総理答弁船田防衛庁長官代読)


 

前の項目に戻る     次の項目に進む