第2章 わが国の防衛政策 


解説 集団的自衛権をめぐる憲法調査会の議論

 現在、国会において憲法をめぐる様々な議論がなされている。00(平成12)年1月、衆議院と参議院に設置された憲法調査会は、おおむね5年を目途として広範かつ総合的な調査を行い、最終的には、調査の経過や結果に関する報告書を両議院の議長に提出することとしている。これまで、憲法調査会では、有識者などからの意見聴取や質疑、自由討論などが行われており、その議論は広範に及んでいる。

 02(同14)年11月、調査期間の折り返し点となる2年半が経過したことを受け、衆議院憲法調査会は、議長に中間報告書を提出した。その中では、自衛権の保持・行使のあり方、集団的自衛権、自衛隊の合憲性とそのあり方など防衛庁・自衛隊にかかわる問題についても述べられている。集団的自衛権をめぐる議論については、政府解釈に関する発言、行使の是非に関する発言などが紹介されている。

 具体的には、憲法を改正して集団的自衛権の行使を認めるべきであるといった集団的自衛権の行使を認めることに肯定的な発言が出される一方、集団的自衛権の行使を認めることに否定的又は慎重な意見も出ている。

 また、参議院憲法調査会においては、中間報告書は提出されていないものの、衆議院と同様に集団的自衛権などをめぐって肯定・否定の両面から活発な議論が行なわれている。


 

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