第5章 国民と防衛 

防衛庁・自衛隊における個人情報保護への取組

(1)情報公開開示請求者リスト事案再発防止の取組
 昨年5月の情報公開開示請求者リスト事案では、大半の職員の個人情報保護に対する認識の低さとチェックの甘さ、また、情報公開室勤務者に対する行政機関電算処理個人情報保護法1を含む個人情報保護に関する教育研修が十分に行われていなかったことが反省事項とされた2
 このため、防衛庁・自衛隊は、リスト事案の再発防止の観点から、次の分野に重点をおいて取り組んでいる。
ア 全職員の意識改革
 昨年6月以降、各種の機会をとらえた防衛庁長官の訓示、事務次官通達の発出
イ 個人情報に関する教育研修
(ア)個人情報保護の全職員への周知徹底
 各種研修、学校の課程教育などにおける周知徹底
(イ)情報公開担当職員の教育研修の充実
 集合教育、部外団体が実施するセミナー参加などの計画的な実施
ウ 個人情報保護のチェック体制の充実
 情報公開検査官(情報公開室とは別の組織)による開示請求者の個人情報の取扱いに関する検査の実施
エ 情報公開業務実施手続きの改善
 情報公開担当課室から他部局へは、原則として個人情報を伝達しないこととする。
 防衛庁・自衛隊は、国民から信頼を得ることが組織存立の最大の要件との認識の下、情報公開業務をより一層適切に行うよう努力している。
 情報公開開示請求者リスト事案に係る再発防止策に関する15年度予算関連主要事業は、次のとおりである。
1) 情報公開担当職員の情報公開などに関する部外講習派遣
2) 情報公開業務における個人情報保護のチェック体制の充実

(2)自衛官の募集のための適齢者情報の取扱い
 防衛庁は、自衛隊法や自衛隊法施行令の規定に基づき、自衛官の募集事務の一部を法定受託事務として実施している地方公共団体から適齢者情報の提供を受け、ダイレクトメールの発送など自衛官の募集広報に活用している。
 この適齢者情報に関しては、個人情報の取扱いについて、より慎重を期すとの観点から、昨年11月、氏名、生年月日、性別及び住所の4情報に限定することとし、さらに本年4月24日には、その徹底を図るため、防衛庁長官の命により通達を発出したところである。自衛官の募集事務の運営にあたっては、国会論議も踏まえ、今後とも、個人情報の適切な管理に努めていくこととしている。



 
1)正式名称は、「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」。

 
2)「海幕三等海佐開示請求者リスト事案等に係る調査報告書」
http://www.jda.go.jp/j/library/archives/list/index.html


 

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