第5章 国民と防衛 


解説 NPOで活躍する退職自衛官

 現在、退職自衛官は、自衛隊で培われた能力・技能を生かし、わが国のみならず、海外においても活躍している。
 カンボジアでは、過去の紛争中に埋設されたまま放置されている地雷や不発弾の問題が依然として深刻であるため、人々が安心して生活できるように、退職自衛官がNPO組織・日本地雷処理を支援する会(JMAS:Japan Mine Action Service)を設立して現地で活躍している。
 JMASは、昨年2月、「地雷に苦しむ地球上全ての地域と人々に対し地雷処理の支援・協力に関する事業を行い、全ての地域と人々の自発的発展に寄与すること」を目的として設立された組織であり、現在、カンボジア・プノンペンに現地事務所を置いて、退職自衛官と現地人スタッフが不発弾の処理を中心にして活動している。
 また、どのようなものが不発弾で、発見した際はどうしたらよいのかなど、不発弾に関する住民への普及、啓蒙教育もJMASの重要な業務の一つとなっている。
 JMASは昨年7月から不発弾の処理を開始しているが、本年5月末までの処理実績は、爆破総回数が約410回、処理した不発弾が約1万5,000発となっている。
(詳細は、JMASホームページ;http://www.jmas-ngo.jp/参照。)
 退職自衛官がNPOとして海外で国際貢献活動を行うのははじめてのことであり、このような取組が活発化することは、現職自衛官の励みとなるだけではなく、国内外に自衛官の能力・技能の高さを広く伝えることにもなるといえる。

 
現地で不発弾を回収し爆薬を使って処理している状況(本年5月 カンボジア)

 
現地で村の子供たちから地雷の位置についての情報を収集中の退職自衛官(本年5月 カンボジア)


 

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